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ハンターハンターのあらすじです。まだ発売していないコミックスのタイトルはこちらが勝手に決めてあります。
[01-10巻][11-20巻][21-30巻][31巻-]
2回目の選挙も不成立に終わり、ジン以外の十二支ん達は対策を練っていた。圧倒的優位にあるパリストンは、余裕の態度で選挙を成立させるための案を出していた。故郷に帰ってきたキルアは、シルバにアルカとの面会を求めていた。シルバでさえ制御できないというアルカだが、ゴンを助けられるのはアルカだけだという。かつて「絶対に仲間を裏切るな」と言いつけたシルバは、「救える友達を放っておくのは裏切りじゃないの?」と問われ、ついにキルアの説得に応じた。
アルカには人の願いを叶える力があった。ただしアルカへの「お願い」には必ず3つの「おねだり」が付きまとう。願いが大きければ大きいほど、アルカが要求する「おねだり」も大きくなる。そのおねだりに応えられなければ、断った者をはじめ多くの者が死ぬ。かつて億万長者にして欲しいという願いのために67人もの人間が死んだという。ミルキの「最新のパソコンを」という願いを叶え、「おねだり」する相手を待っているアルカとキルアは対面した。
「おねだり」に失敗した場合、失敗した者と多くの時間を過ごした者達も殺される事がある。ゴンを元に戻すという大きな願いから生じる「おねだり」に失敗した場合、犠牲者は万単位に上り、イルミは勿論ヒソカさえ死ぬ危険があった。それはキルアが他人に「お願い」を頼み、自分が「おねだり」に応えるつもりだからである。イルミはそれを阻止するため、正しい手順で「お願い」することをキルアが拒否した場合、アルカを始末するようヒソカに依頼した。
キルアはすぐ「お願い」しようとはせず、アルカを連れて部屋から出ようとした。アルカは直す時はその物に触れないと力が出せないためである。シルバに制止されると、キルアはアルカに「二人が山から出られなければ母親を殺せ」と命令して強引に屋敷を抜け出した。当然そのままで済むはずはなく、監視の執事が4人同行することになった。執事のツボネは「おねだり」を1つ聞いて姿を隠した。これで新たに「お願い」はできない。しかしキルアは「命令」ならできることを知っていた。
アルカの力を部外者に知られない為、ゴトーは病院内をゴン一人にするよう依頼。モラウが専用病室を建てることで問題は解決。病院に駆けつけたレオリオはキルアとの連絡をモラウに任せ、一人協会本部に向かった。演説会場で、レオリオはジンに何故ゴンに会わないのか問いつめた。問答の末にジンが発した言葉にレオリオは激高。能力を使いジンを殴り飛ばした。その痛快な行動に居合わせたハンター達は心を打たれ、次の選挙ではレオリオが一気に3位に浮上した。
キルア達に同行するゴトー、カナリアはゼノ直属の執事であり、ツボネ、アマネはシルバ直属の執事である。シルバ、ゼノはキルアに対する考え方が微妙に異なり、当然執事達の立場も違っていた。シルバもゼノもアルカをコントロールしたいという点で共通している。しかしキルアの安全のためならアルカ殺害も厭わないイルミは、ヒソカと共にキルア達を襲撃し、アルカと引き離すという強硬手段に出た。
アルカを重要視しない執事達を敵とみなし、神速で執事達から離れたキルア。ゴトー達3人は撒けたものの、何者かの追跡は続いていた。一方ゴトー達は突然現れたヒソカの襲撃を受けていた。ゴトーはカナリア達にキルアを追わせ、一人でヒソカとの戦闘を開始。ゴトーはコインを弾丸以上の速度で連射する能力を持つ。しかしヒソカのバンジーガムには全く通じず、首を掻っ切られて呆気なく倒された。
キルアに振り切られたツボネはバイクに変身。アマネの運転によってキルアが目指すであろう飛行場に先回りした。一旦追いつかれたキルアだったが、アマネ達が飛行船の手続きをしている間にアルカと飛行船に搭乗。飛行船はダミー含め8機が飛び立った。イルミは一般人を針人間として利用。キルアはモラウを介し、イルミが一般人を利用していることを協会に通報。脱会長派のテラデインら3人のハンターと配下達が針人間捕獲に乗り出した。
テラデインはかつてネテロが所属していた伝説のハンター集団「清凛隊」を再結成すると宣言。脱会長派ら3人への投票は代表のテラデインに集中し、次の選挙ではチードルを抑え2位に浮上。選挙は順調だったが、イルミや針人間の捕獲は難航していた。派遣したハンター達が悉く行方不明になり、清凛隊隊長のブシドラが出動。しかしブシドラからの連絡も途絶え、テラデインらの雇った者達は呆気なく全滅となった。一方地上に降りたキルアは針人間とイルミに包囲されていた。
ツボネが残りの「おねだり」を達成し、アルカに「お願い」ができる状態になった。これでイルミを殺すことも可能になったが、キルアはツボネの左手を治す事を「お願い」した。何かを治すという「お願い」からは大きな「おねだり」が生じると思われたが、実際は小さい「おねだり」で済むのである。ゴンを治してもキルアに危険が及ばないと知ったイルミは、矛を納め去っていった。一方仲間を失いながら未だイルミ捕獲に固執していたテラデインは、ヒソカの手により暗殺された。
ジンが選挙終了を待たずに旅立つ事を知ったチードルは、ジンに最後まで見届けないのか尋ねた。ジンから返ってきた答えは意外なものだった。パリストンは「Xデー」まで投票率を操作し、勝負を付けないつもりだという。Xデーはハンター試験日。パリストンは秘密裏に回収した5000個の蟻の繭を使って何かを企んでいるというのだ。そこでチードルの打った対抗策は、選挙会場に集まったハンター達を会長決定まで軟禁するというものだった。
候補者による演説が開始され、まず前回4位のミザイストムがチードルを推薦。続く3位のチードルがレオリオを推薦するという奇策に出たことで、常に余裕の笑みを絶やさなかったパリストンの表情がついに曇った。自分がチードルに推薦されたことに気づいている様子のないレオリオは、演説でゴンへの想いを訴えると、会場は大きな喝采に包まれた。チードルはその様子を見て、次期会長はレオリオと確信。一方、キルアは「ゴンを元に戻してくれ」とアルカに「お願い」した。
パリストンはミザイストムを推薦することで、レオリオに全て流れるはずだった浮動票をミザイストムにも流れるように誘導。これにより、次の選挙でレオリオが当選することはなくなった。一方アルカがゴンの手に触れたことで、凄まじい衝撃が発生。選挙会場のチードル達も何かが起こった事に気づいた。選挙はパリストンの狙い通り決着が付かなかったが、どちらにせよ次で決定する。2位に陥落したパリストンは、レオリオに「会長になったら何をするか」と改めて質問した。
レオリオの答えは演説の時と変わらなかった。パリストンは質問の後、唐突に緊急動議を発令。ハンター試験制度撤廃の是非を問う投票を始めようとしたが、目的はただの時間稼ぎだった。会場が騒然とする中、元の姿に戻ったゴンと仲間達が会場に駆けつけた。ゴンが治っては、レオリオが会長になる動機は消滅してしまう。チードルは選挙の敗北を悟った。一方ジンは、自分が旅立つ前にゴンが治って会場に来る、という危惧していたことが現実になり、焦っていた。
ついにジンと対面したゴンは、自分のせいでカイトが女の子になってしまったとジンに謝罪。涙ながらに語るゴンの説明は要領を得ないものでジンは困惑したが、それでも父親らしくゴンを励ました。対面が一段落つき、パリストンはレオリオと自分のどちらが会長としてふさわしいと思うかゴンに問うた。チードルの期待も虚しく、ゴンはパリストンと回答。これが決定打となり、選挙はパリストンの勝利で幕を閉じた。だがパリストンは就任直後に会長を辞任し、本部を後にした。
イルミはこれまで得た情報を整理した結果、アルカの能力はキルアの「命令」なら「おねだり」を必要としないという結論を導き出した。アルカの引き渡しを要求するイルミだったが、キルアに命令されたアルカによって屋敷まで飛ばされてしまう。キルアはアルカがイルミに支配される事を恐れ、力を持つ「ナニカ」に二度と出てくるなと命令した。しかしアルカに非難されると、考えを改めてナニカに謝罪。これからはアルカ、ナニカどちらも守っていくことを誓った。
コアラのキメラアントは、ある屋敷で赤毛の少女に懺悔していた。その少女は、かつてコアラが射殺した少女の生まれ変わりだった。だが少女の体に本人の魂は存在せず、カイトの魂が宿っていた。カイトはコアラの自殺を許さず、今後自分と共に行動することを命じた。その後カイトはゴンと対面。力が足りず一緒に戦えなかった、というゴンの謝罪をカイトは受け入れ、対面は終わった。ジンの下に戻ったゴンだったが、ジンは世界樹にいるというメモを残し既に去っていた。
ゴンはキルア、アルカと共にジンの待つ世界樹にやって来ていた。世界樹は1800m近い高さを誇る、世界最大の樹木である。ゴンとキルアはそれぞれの家族との時を過ごすため、ここで一旦別れた。ゴンは頂上でジンと再会。ゴンはジンに、かつてミトに言ったという「欲しいもの」が何だったのか尋ねた。ジンの回答は「今目の前にないもの」だった。初めは王族の墓。そして今は「この世界」の外側に存在する「何か」。ジンの語る途方もない「真実」に、ゴンはただ驚くばかりだった。
ジンと語り明かしたゴンは、ジンと別れた後、カイトやその仲間達と共にある鉱山跡地に向かった。スピーナとスティックの生まれ故郷であるこの山には、コクチハクチョウという固有種が生息している。何万ものこの鳥が朝日を背に飛び立つ風景。蟻の討伐任務が終わったらこの「宝物」を見せると、スピーナとかつて約束していたのである。ミト、ナックル達、キルア、レオリオ…その美しい風景はゴンの仲間達にも届けられた。
チードルの重大発表を聞くために集合していた十二支んの下に、ビーンズが驚くべきニュースを持ってきた。カキン帝国のホイコーロ国王が「暗黒大陸」への進出を宣言したのである。外側の大陸は、200年もの昔から近代五大陸「V5」により立入が禁止されている。さらに驚くべき事に、探検隊の総責任者はネテロの息子と称するビヨンドであった。チードルの重大発表はこの事と無関係ではなかった。チードルは「V5」より、「ビヨンドをハントせよ」という特命を受けていたのである。
クルタ族の少年クラピカは、毎日のように激しく長老とやり合っていた。クルタ族の「森の外に出てはならない」という掟の存在に納得できなかったからだ。クラピカが外の世界に拘るのは、親友パイロの目と足を治してくれる医者を見つけるためである。連日の説得に根負けした長老は、ついにクラピカに外出試験を受けさせることにした。その内容とは「最寄りの街へ行き、緋の目になることなく買い物を済ませること」。クラピカはパートナーのパイロと共に、初めて森の外へ出た。
最寄りの街に着いた二人は、デパートで買い物を始めた。不良達に絡まれてもパイロは意に介さず、クラピカもまた怒りを必死で抑えていた。しかし一人の不良がパイロを侮辱した瞬間、クラピカは緋の目になって我を失い、不良達を叩きのめした。不良達は自分達が長老に雇われていたことを打ち明け謝罪し、長老にクラピカ達が怒らなかったと偽って報告。クラピカは無事外出試験に合格した。こうしてクラピカは、医者を捜すため、そして楽しむために旅に出たのだった。
暗黒大陸への渡航を管轄する「特務課」に新たな職員が配属された。彼は上司に案内された地下施設で、わずかに人間の面影を残した様々な異形の物体を見せられた。それらは全て、過去人類が暗黒大陸から持ち帰ってきた「厄災」の痕跡だった。ビヨンドもまた、かつて暗黒大陸に挑戦し、厄災を抱えて敗走してきた者の一人だった。V5の指令に従い、ビヨンドをハントするかどうかで揉める十二支んの下に、当のビヨンドが姿を現した。
自ら囚われの身となったビヨンドは、十二支んに対し「オレは解放され、お前らはオレと共に暗黒大陸を目指すことになる」と不敵な予言をした。事実V5はカキンをV5に迎え入れた上で、暗黒大陸への渡航をハンター協会の監視付きで認めるという決定を下していた。ビヨンドの狙いは、暗黒大陸で協会の監視から逃れ、好き勝手に行動することだった。一方ジンはパリストンの悪巧みを阻止すべく、直接拠点に乗り込んでいた。
レオリオはチードルから、十二支んへ加入するように勧誘を受けていた。医療チームとして暗黒大陸へ渡航する事が留学として認められ、学位上の評価にも繋がるという条件を受け、レオリオは快諾。さらにもう一人の欠員を補充すべく、ミザイストムはレオリオが推薦したクラピカを十二支んに勧誘した。最初は拒否するクラピカだったが、大量の緋の目を保有する人物を教えるという条件を提示されると、加入することを決めた。
ビヨンドの側近グループのNo.2になると宣言したジンは、自分をNo.2と認めた者にビヨンドから受け取る報酬の倍額を前金で払うと提示。金を受け取る以外の条件はなく、引き続きパリストンに従っても良いという。意図を図りかね困惑する者達だったが、一人とパリストンはジンをNo.2と認めた。そしてジンは彼等に驚くべき情報を教えた。V5が参考にしていた「新大陸紀行」には「東」と「西」があり、「西」は著者「ドン=フリークス」が今でも書いている可能性があると。
念が使えなくなり「普通」に戻ったゴンは、ジンの助言を受けくじら島に帰郷。ハンターになる前の生活に戻ることになった。一方ジンは、ビヨンドの側近グループが、暗黒大陸探索のための特殊技能を持った専門家達であること、仲間がさらに何人もいることを看破。パリストンはこの時、ジンに対して初めて強い嫌悪感を覚えていた。チードルは、行動に厳しい制約を課す内容の契約書をビヨンドに提示。ビヨンドはためらうことなく契約書に署名した。
ミザイストム、クラピカが協会本部に到着し、新生十二支んによる会議が初めて行われた。十二支んはそれぞれの専門分野と人脈を活かし、暗黒大陸渡航に向けての準備を着々と進めていくことになった。結果、ハンター試験に送られたビヨンド側の刺客達は悉く不合格となり、パリストンの息の掛かった協専ハンター達も、渡航チームから排除された。協会潜入に失敗したミュヘルらがアジトに帰還すると、ジンの処遇を巡って不穏な空気となった。
ミュヘルの一派はジン、パリストンを急襲。ジンはパリストンが見ていることも意に介さず、能力を披露。しかしそれは、レオリオが選挙の時に見せた能力を真似たものだった。敵5人を伸したジンは、この戦いそのものがパリストンの企みであることを見破り、事態は収束した。ミュヘルはNo.2と金を渡すことに拘るジンの真意を問い質した。ジンは混乱させたことを詫びながらも、率直に心情を吐露。ミュヘルも納得し、チーム全員がジンをNo.2と認めることとなった。
協会への潜入者をほとんど排除できたのは、クラピカの能力によるものだった。クラピカは能力では感知できない、記憶を消去された者や意識レベルで操作された者が潜入した可能性を懸念したが、ミザイストムはその可能性よりも、十二支んの中に内通者がいることを危惧していた。ミザイストムは新入り二名を除く十二支んを集め話を開始。その光景を監視カメラで見ていたクラピカは、内通者がサイユウである事を突き止めた。
仮想新大陸に向けての航海中に、カキンの次期国王を決定する王位継承戦が行われる。継承戦に参加する王子達は、「壷中卵の儀」を行った。この儀式によって、王子達は「守護霊獣」と呼ばれる念獣に守られることになる。だが念能力を持たない王子達に霊獣の姿は見えず、儀式の意味も伝えられていなかった。彼等は継承戦で生き残るために、それぞれボディーガードの募集を開始。募集するのは6人で、名前は伏せられていた。
クラピカは大量の緋の目を所有するカキンの第4王子ツェリードニヒに少しでも近付くため、ボディーガードを募集する王子の下に5名のプロハンターを送り込み、自らも潜入する事にした。だが私設の軍隊を持つであろうツェリードニヒが募集するとは考えにくい。クラピカはツェリードニヒとの接点が強そうな、ハルケンブルク王子と推測される依頼内容に申し込んだが、その依頼主は第14王子ワブルと母オイトだった。
天空闘技場でフロアマスター同士の試合が行われようとしていた。そのフロアマスターとはヒソカとクロロ。長い間決闘を拒み続けていたクロロが、ついにヒソカとの決闘を決意したのだ。勝負の方法はどちらかが死ぬまで終わらないデスマッチ。元来クロロの「スキルハンター」は常に本を手で持たなければならなかったが、栞を追加したことでその弱点を克服。更に2つまで能力を使用できるようになっていた。
クロロは予め使う能力を5つ提示し、その能力のみで戦うと宣言。その能力とは人間の操作、人形の操作、人体・物体のコピー、他者と外見を交換できる能力、爆破能力の5つ。攻撃能力は少ないが、クロロはこの5つの能力で100%ヒソカに勝つ確信があった。能力の説明後観客席に逃れたクロロは、操作した観客を目くらましに使った上で自らの姿を変え、身を隠した。
観客の服を奪い変装したクロロは、観客のコピーを次々と作成し、ヒソカを襲わせた。コピーは首を切り離さない限り動き続ける。更に何の感情も持たず、最短の手順でヒソカの首をもぎ取ろうとした。クロロは数十体ものコピーとの戦いで生じる隙を突き、ヒソカに何度も攻撃を的中させて体力を削った。ヒソカはバンジーガムを使い、切り離したコピーの頭部をクロロに向かって発射。難なく回避したクロロだったが、もう一つの「隠し球」が頭を直撃する。
負傷したクロロは追撃を回避し、再び姿を消した。ヒソカは頭部を武器として使い、周囲のコピーを瞬く間に全滅させた。そして逃げまどう観客を利用しながらクロロを追い詰め、体に直接バンジーガムを付けることに成功する。しかしそれはクロロの姿に変えられ、操作された観客だった。『コピーを維持しつつ他人の姿を変え操る』。本来3つの能力を使わなければ不可能な芸当である。だが死後の念「番いの破壊者」の刻印を押されたコピーは、能力を解除しても消える事はなかった。
クロロはコピーを暴れさせて会場内を混乱させた。そして場内に注意を呼び掛けている実況からマイクを奪い、「ヒソカを壊せ」と命令。会場内の200体を越えるコピーが一斉にヒソカに襲いかかった。ヒソカはコピーを5体連結させた人間ハンマーや頭部を使い、コピーを猛烈な勢いで撃退していく。客席に潜んだクロロはヒソカが頭部を掴んだ瞬間、操作している人間に合図を送った。その直後、頭部とヒソカの左手が吹き飛んだ。
「番いの破壊者」によって左手を失ったヒソカは、天井へ逃れるためのバンジーガムも失っていた。右手でコピーを払いのけながら、足からバンジーガムを放って退避。しかし逃れた先には爆弾と化したコピーが待ち受けていた。5人前後の同時自爆を食らったヒソカは更に右足を失うも、左足からバンジーガムを放ち天井へ逃れようとした。しかしクロロが観客を投げてそれを妨害。リングに落とされたヒソカに容赦なくコピー達が襲いかかり、止めの大爆発を起こした。
フロアマスター戦の終了後、天空闘技場周辺は救助の消防車や救急車で埋め尽くされていた。その混乱の最中、控え室にはヒソカの遺体が運び込まれていた。哀れんだマチが遺体を整えようとしたところ、ヒソカの死後強まる念が発動。バンジーガムによる心臓と肺のマッサージで、ヒソカは息を吹き返した。そして立ち去ろうとするマチを拘束した上で、今後旅団員と遭遇した時はその場で殺すと宣言。付近に居合わせたコルトピとシャルナークが、最初の犠牲者となった。
新大陸への出航の前夜祭が開かれ、B・Wにぞくぞくとホイコーロ国王や王子らが乗り込んだ。B・Wは5層構造になっており、王族が居住するのは一番上の1層。しかし各王子の居住区は厳密に区切られ、晩餐会への移動も各王子ごとに行われるため、すれ違うことはない。普通の人間なら暗殺は困難な状況だが、念能力者がいればその限りではなかった。クラピカは戦力が乏しい中オイトとワブルを守り、且つツェリードニヒと接触しなければならない。
B・W1号がついに新大陸に向けて出航した。同時にそれは、王子達の継承戦が始まったことを意味する。出航から間もなく、早くもワブル王子の護衛の一人が死体で見つかった。全身の血を抜かれるという不可解な死に方は、念能力による攻撃としか考えられない。しかし王族側の護衛も協会側の護衛も、クラピカには非協力的だった。そんな中、更に4人の警護が同様の状態で殺されていた。クラピカは残った護衛達に銃口を突きつけた。
クラピカは“導く薬指の鎖”を使い、従者と護衛達を尋問。従者もハンターも継承戦の事は知らなかったが、王族側の護衛2人は知っていた事を吐露した。彼等も殺された5人も、本当のワブルの護衛ではなかった。オイトの上位である王妃達が、それぞれ監視のために派遣した者達だったのである。尋問中、突如として部屋中に無数の念獣が出現。ハンターのサイールドはその内の一匹に取り憑かれ、王族側の護衛2人とハンター1人を刺し殺した。
サイールドを取り押さえたクラピカは、“奪う人差し指の鎖”でオーラを吸収。栄養源であるオーラがなくなった事で、取り憑いていた念獣が姿を現した。クラピカは吸ったサイールドの念能力を使って念獣を捕獲しようとするが、実際の生物限定で念獣には使えなかった。サイールドが軍に連行された事で、ワブル王子の護衛はクラピカとビルの二人だけとなった。一方ハルケンブルグは、ホイコーロに直接継承戦の辞退を申し出ていた。
壷中卵の儀によって自覚なく守護霊獣を生み出し、姿を見る事はおろかその事実すら知らなかった王子達だが、念能力者の警備兵によって、その事実と念の存在を知らされつつあった。ツェリードニヒの警備兵で念能力者であるテータとサルコフは、ツェリードニヒが念を知れば、必ず会得しようとする事に不安を抱いていた。会得すれば邪悪な念を生むかも知れない。その不安は彼の生み出した禍々しい霊獣を見て、確信へと変わるのだった。
ベンジャミンは晩餐会から退席後、直ちに自分以外の王子を全員殺そうと考え、手始めにツェリードニヒの拘束を兵隊長バルサミルコに指示。だがバルサミルコは、ベンジャミンには見えない念獣が各王子に寄生しているため、直ちに行動を起こすのは危険だと説得。進言に従ったベンジャミンは、ひとまず私設兵の精鋭達を各王子の警護兵として派遣する事にした。ワブルの下に派遣されたビンセントは、居住区へ入るなり応対した侍女を殺害した。
ビンセントは、暗にワブル暗殺への協力をクラピカ達に求めた。そんな要求を受け入れられるはずもなく、クラピカとビルは交戦の末ビンセントを取り押さえた。正規国王軍としての立場を利用して抵抗しようとするビンセントだったが、クラピカが操作系の能力を示唆すると、抵抗を諦め奥歯に仕込んだ毒で自殺した。ベンジャミンは後任として即座にバビマイナを派遣。バビナイナが居住区に到着する頃、クラピカには3人の王子からの電話が同時にかかって来ていた。
クラピカは考えた末、ベンジャミンからの電話を最初に受け取る事にした。だが電話に出たのはチョウライだった。侍女シマノがクラピカの指示を無視し、チョウライに繋いだためだ。各王子の性質を考え、生き残るための判断だったと打ち明けたシマノを、クラピカは信頼する事にした。念の情報を欲するチョウライは、クラピカを自身の居室に呼び寄せる。オイト、ワブルを伴いチョウライと面会したクラピカは、上位王子の兵がいる前で重要情報を話しても良いのか尋ねた。
チョウライはクラピカの言う重要情報をその場で聞こうとはせず、一旦面談を切り上げた。そしてワブルの警護という名目で、2人の私設兵を出向させる事にした。更に第2王妃に所属するスラッカも、2人の協力と称し同行。こうしてワブルの居住区には、思惑の異なる第1〜3王子の私設兵が4人も揃う事態となった。この状況では、サイールドの能力を迂闊に使うわけにもいかない。能力の制約により、クラピカの寿命は縮まり続けていた。
ツベッパの私設兵マオールが、念の情報を聞くため居住区に来訪。クラピカはビル達に隅々まで虫を探させるため、警備兵全員を主寝室に集め念の話を始めた。皮肉にもその主寝室にゴキブリが現れる。警備兵の目を盗み、ザイールドの能力を使用するのは不可能だと判断したクラピカは、念能力の証明と称し、虚実を混ぜながら堂々と王妃に能力を使用させた。“円”を使うバビマイナに不信感は抱かれたものの、能力を借り受けた王妃は、無事ゴキブリの操作に成功する。
王妃はマラヤーム王子の居室の調査を終え、モモゼ王子の主寝室にゴキブリを移動させた。そこで目にしたのは、警備兵に首を絞められるモモゼ王子の姿だった。王妃が阻止しようとするも間に合わず、モモゼ王子は間もなく遺体で発見された。居室にいた6人の警備兵は軍に拘束されたが、ハンゾーは分身を使ったであろう犯人は、再び犯行に及ぶと予測していた。モモゼを殺され憤るハンゾーは、次は必ず止めると決心した。
「絶対時間」発動から3時間で倒れたクラピカとオイトは、9時間後に目が覚めた。倒れている間も「絶対時間」は発動したままで、クラピカの寿命は意味なく数年分縮まってしまう。悠長に探索している余裕はなく、ツェリードニヒの部屋を優先して調査した。だが守護霊獣によって操作するゴキブリが殺され、何の情報も得られず能力は解除される。朝になり、念の修得を希望する護衛兵達が居住区に集結。無論純粋に念を教わる気などなく、それぞれ違った思惑を内に秘めていた。
クラピカによる念の説明が始まろうとする中、部屋の中には不気味な女の人形が佇んでいた。人形を見る事ができるのは、能力者と能力をかけられたカチョウの従事者ロベリーだけだった。やがてロベリーは人形の姿に気付き騒ぎ出した。全員の関心がロベリーの指差す方に向けられた時、「ツチボッコ」なる蛇が一斉に護衛兵のバリゲンに襲い掛かり、瞬く間に殺害。王子の念獣かと思う者がいる一方、クラピカやバビマイナは、この中の誰かの仕業だと気付いていた。
クラピカはひとまず、同じ居住区のビル達を能力で調査。鎖に反応しなかったビル達は容疑から外れ、蛇が念能力者以外にも見えた事から、守護霊獣の能力ではないと考えられた。殺人が行われても念の講習を棄権する者は出ず、クラピカは予定通り講習を始めた。一方、一般渡航者が滞在する5層には幻影旅団が乗り込んでいた。彼等の目的はBH号にあるお宝を盗む事と、船内でいるであろうヒソカを見つけ出し、殺す事であった。
念の講習中、ハルケンブルグの私設兵2名は初心者とは思えない大量のオーラを練っていた。本人達に自覚はなく、守護霊獣の影響だった。一方、ハンゾーは分身を飛ばし、王子殺害容疑で拘束中のタフディーに接触。タフディーが甘言に乗って暗殺の実行犯である事を認めると、即座に絞め殺した。居住区に戻った時、そこには自分の本体を含め全ての人間が姿がなく、いるのは敵意をむき出しにしたマラヤームの守護霊獣だけであった。
カーミラは、自分を殺した者の命を吸い取り蘇生する能力を持つ。この能力でムッセを殺害し、そのままベンジャミンの居住区を襲撃した。だが能力を知るベンジャミンには通用せず、あっけなく拘束される。死んだムッセの監視能力はベンジャミンに継承された。ベンジャミンは自らに忠誠を誓う私設兵が死んだ時、その能力を引き継ぐ力を持っていたのである。その頃無人となったはずの1013号室から、1014号室に連絡が入っていた。
マラヤームの警備兵隊長ウェルゲーは、自分達が部屋から消えている事に気付いている様子はなく、またクラピカの話を聞き入れようともせず、モモゼ王子暗殺に関する情報提供を一方的に要求した。クラピカは信頼を得るため暗殺犯の正体を知らせたが、ウェルゲーの頑なな態度は変わらない。念の知識がなく、またハンター協会に対する不信感がそうさせていた。フウゲツの寝室では突如扉が出現。その扉はカチョウの寝室と繋がっていた。
ハルケンブルグと私設兵達は、守護霊獣の力により団結する事で莫大なオーラを生み出していた。ベンジャミンの私設兵シカクは即座に王子を殺すべきだと考えたが、霊獣の記憶改竄を伴う攻撃を警戒し、増員を要請した。ビスケは真の姿を見せ、ウェルゲーに念能力の存在を信じさせた。ベレレインテは、講習への参加と部屋の現状確認を兼ね、1013号室から出た。結果1013号室はやはり念空間であり、一度出ると戻れない事が判明した。
裁判の結果、カミーラの拘束は解かれた。だが監視能力は継続し、カミーラの動向は全てベンジャミンに筒抜けであった。1014号室では、暗殺者によりミュハンが殺されていた。講習参加者の一部はクラピカ達の陰謀だと非難し、国王軍を呼ぶべきだと騒ぎ始めた。ベレレインテの説得により混乱はひとまず治まり、講習の持続も決まった。報告を受けたツェリードニヒは冷静に事実を受け止め、ダンジンの参加続行に同意する。
晩餐会での音楽ショーを提案し、セイコ王妃を通じ国王の許可を得ようとするカチョウ。無論招待客を楽しませようというのは見せかけで、船から離脱するための計画の内だった。5層に集合した幻影旅団の中に、イルミの姿があった。イルミは自らの暗殺を依頼するという形でヒソカから殺し合いを挑まれ、旅団に加入していたのだった。旅団は一旦解散し、それぞれのやり方でヒソカの追跡を始めた。
旅団が行動を開始した事で、新大陸の利権を狙ってBH号に乗り込んでいるカキンの3大マフィア、シュウ、エイ、シャの3組も動き始めた。シュウ、シャ一家は旅団より先にヒソカを見つけ出そうとし、エイ一家の組長モレナは自身の念で、22名の組員に人間を殺した数だけ強くなるという特殊能力を与えた。その一人ルイーニーは早速3層の一般人20人を殺害し、独自の能力を得る条件を達成。その能力を使い、ノブナガ達を挑発する。
国王軍とハンター達は、生存者から大量殺人犯に関する具体的な情報を得ていた。だがその情報を提供したカシューは、ルイーニーと同じエイ一家の構成員だった。カシューは捜査側とのコネを得るため、ルイーニーは自分の情報をあえて捜査側に漏らすために組んでいたのだ。ルイーニーは空間移動の能力を使いながらシャ一家の組員を殺害。旅団に濡れ衣を着せてシャ一家と衝突させようとするが、両者は策略を見抜き、不発に終わった。
3層での大量殺人が続けば、パニックを起こした乗客の暴動でBH号が沈むという事態が起こりかねない。ミザイストムはカキン軍部を説得し、3層に準戒厳令を発令させた。居住区を徹底的に捜索する中、室内待機命令を無視していたイルミとカルトを発見する。彼等は抵抗せず、ミザイストムの指示に従った。イルミの旅団加入、旅団集結を知り対応を考えている矢先、更にフウゲツ王子が発見されたとの知らせがもたらされる。
フウゲツ王子は72時間の監視が付けられた上で、1層の居住区に戻された。フウゲツは別の場所に通じる扉を作る能力に目覚めた。だが帰りの扉を開ける事ができるのはカチョウだけであり、3層から戻れなくなったところをハンターに発見されたのだった。一方、サレサレの守護霊獣の分析を終えたリハンは、念能力「異邦人」を発動し、守護霊獣を消滅させた。任務を完了したリハンは、暗殺向きの能力を持ったウショウヒと担当居住区を交替する。
ハルケンブルグは国王の居住区に乗り込み、継承戦の中止を迫った。応じないホイコーロに発砲するも、ホイコーロの守護霊獣によって阻止されてしまう。自殺を試みても、自らの守護霊獣により阻止される。継承戦を止めさせる事が不可能だと悟ったハルケンブルグは考えを改め、全力で継承戦に臨む事を決意。ハルケンブルグの能力は、臣下一名の肉体と引き換えに敵のあらゆる防御を貫き意志を奪うという、強力無比なものだった。
晩餐会において音楽会が開催される。参加予定だったサレサレが暗殺された事で多少予定の変更はあったものの、カチョウらの作戦に支障はなかった。センリツは念を込めた演奏によって、1層の人々の意識を奪った。その間にキーニはカチョウとフウゲツを救命艇に乗り込ませた後、罪を被って自殺する。だが継承戦からの脱出は許されない事だった。カチョウはフウゲツを庇い死亡。守護霊獣がカチョウの姿に変身した事で、その死をフウゲツが知る事はなかった。
カキンのマフィアには、組長が縄張りから離れている間に起きた組員同士の抗争については、後に組長が連絡しあって手打ちにするという暗黙の了解があった。だがエイ一家の組長モレナは、本来いるはずの1層に最初からいなかった。縄張りにいながら組員の行為を黙認していた事になり、全面抗争は避けられない情勢となった。エイ一家を庇護下に置くツェリードニヒはモレナの不在に気付きながらも、念の修行を継続。無自覚でおぞましい念獣を生み出していた。
ツェリードニヒは「絶」の修行を始めた。テータの目的は勿論ツェリードニヒの念能力の向上ではなく、「絶」で守護霊獣を無力化させる事だった。テータは目を閉じて「絶」に集中する無防備なツェリードニヒを射殺。だが死んだはずのツェリードニヒは突然姿を消し、生きて背後から現れた。守護霊獣に「次に王子の質問に偽りで答えれば、お前は人間でなくなる」と警告された直後に気を失ったテータが次に目覚めた時、顔の一部に異常が現れていた。
演奏で人々の意識を奪ったセンリツは、司法局の取り調べを受けていた。ただ結果、ツェリードニヒをはじめとする、複数の王子からの招待を受けずに済むという利点もあった。ハルケンブルグ王子の矢に貫かれたシカクには、スミドリの魂が憑依していた。代わりにスミドリの肉体は眠ったままだった。王子は継承戦を勝ち抜くため、能力の検証を始める。その過程でシカクは他の王子の居住区の前で自害。ベンジャミンにとって、ハルケンブルグは今や最も警戒すべき王子となった。
ツェリードニヒは修行として、テータの指示通り目を閉じて「絶」を行った瞬間、奇妙な白昼夢を見る。それはこれから10秒間に起こる現実の出来事だった。これが自らの能力だと考えたツェリードニヒは、修行をしながら能力を検証する。結果、目を閉じて「絶」をする事によって瞬時に10秒間の出来事を予知し、その10秒間に取るはずだった自らの行動を変えても、他者はそれを認識できない事が判明。この能力によりテータの発砲を予知し、危機を逃れていたのである。
クラピカによる念の指導は次の段階に進もうとしていた。受講者を一人ずつ寝室に招き、クラピカとビルがサポートをしながら水見式を行う事になった。だが水見式は名目に過ぎず、実際はクラピカが受講者に対し“奪う人差し指の鎖”を使用し、強制的に念を使える状態にする事が目的だった。この結果、受講者の多くが念能力を修得。それぞれの陣営が思案を巡らせる中、ハルケンブルグは自身の能力により、4度目の鳴動を起こしていた。
ハルケンブルグの能力によって、更にビクトが犠牲となった。単なる放出系の攻撃ではない事以外謎に包まれた能力を前に、バルサミルコはハルケンブルグ側を告訴するという手段で対抗。ハルケンブルグと私設兵は司法局に拘束され、能力の使用を封じられた。今のところ目立った行動を見せていないカミーラの私設兵は、ほぼ全員が死後の念使いで、死後標的の王子に呪いの念を放つ能力を持っていた。
チョウライの守護霊獣は毎日一枚ずつコインを生み出す。今のところ目立った効果は表れていない。チョウライはコインを含め、自身の守護霊獣が真価を発揮するのは、自分が王になってからだと考え、継承戦は自分の裁量で勝ち残る事を決意する。チョウライは庇護下にあるシュウ一家組長に、守護霊獣や念に関する調査を依頼。組長オニオールは実の父親であった。シュウ一家の組員はエイ一家の縄張りである3層に乗り込み、本格的な抗争が始まった。
シュウ一家のザクロは血液を操作する能力を使い、リンチと共にヒソカの捜索を開始。若頭ヒンリギは単独でエイ組狩りをはじめた。エイ組構成員の一人が映り込んだ一般人のカメラを押収し、そのカメラを念で猫に変えて監視を任せる一方、自身は「円」で警戒しつつエイ一家の襲撃を待った。目論見通り、エイ一家3人がヒンリギを襲撃。1人をたやすくねじ伏せると、残り2人は逃げて行った。
発砲を伴う抗争により、軍が調査を開始。ヒンリギにとって都合の悪いエイ一家パドイユの死体は、シュウ一家元構成員の死後の念によって操られ、穏便に処理された。兵の一人は聴取にみせかけ、ヒンリギにモレナの居場所の提供を持ちかけた。一方ザクロは早くもヒソカを捜し当て、接触に成功。シャ組アジトでは、痺れを切らしたルイーニーが旅団の前に姿を現していた。
共に世界を壊そうと旅団を説得するルイーニーだったが、ノブナガの手であっさりと殺された。ルイーニーの死を知ってもエイ一家は動じず、ゲーム感覚で次の手を考えた。ヒンリギはヒソカと面会し、シャ一家と組んだ旅団がエイ一家を潰すまで第一層で待機するよう依頼。率直な物言いを気に入ったヒソカは、この依頼を受け入れる。その後ヒンリギは情報提供者の兵、シュウ一家のオウと共に、エイ一家アジトの疑いがある客室に乗り込んだ。
ヒンリギ達が乗り込もうとした客室には、入るとどこかに転送させられる罠が仕掛けられていた。オウの提案を受け、ヒンリギは罠の対処も含め、旅団にエイ一家の掃討に任せる事にした。一方、ツェリードニヒの私設兵チームは、エイ一家の事務所を捜索。そこは既にもぬけの殻だった。チームの一人オトシンの謀略により、第1層で王子を警護していたポークセンと隊長ギッパーが配置を交替。ポークセンや隊員は、ツェリードニヒと軍学校の同期で友人達だった。
ノブナガら旅団の3人は強制移動の罠を避けるため、エイ一家のアジトの疑いがある客室の隣の部屋に向かい、そこの壁を破った。推測通り、壁の奥には隠しアジトが存在していた。だがエイ一家は逃げ出した後だった。素人丸出しのルイーニーを野放しにしていたかと思えば、危機を察して手際よく撤退する。エイ一家にちぐはぐな印象を受けたフィンクスに対し、ノブナガは結成当時の自分達に似ているという印象を吐露した。
およそ10数年前の流星街。当時少年だったクロロは、ゴミの山からビデオテープを発見する。ビデオの中身は「カタヅケンジャー」という、世界中で人気の特撮作品だった。パクノダ達と4人でセリフの吹き替えを行い、教会で上映会を開催。トラブルも乗り越え、上映会は大盛況で幕を閉じた。上映会をきっかけにウボォーギン達7人も加わり、定期的に「カタヅケンジャー」の劇を披露するようになった。
最初の吹き替えから参加していたサラサが、上映会の時間になっても姿を現さなかった。クロロ達は上映会を中止し、サラサを必死に捜索。サラサは森の奥で、変わり果てた姿となって見つかった。流星街の子供を狙う人狩りの仕業だった。クロロは犯人を見つけるため、そして流星街でサラサのような犠牲者をこれ以上出さないため、流星街と自らをデザインする事を決意。3年後、クロロをリーダーとする幻影旅団が正式に結成された。
ノブナガらは客室の住民を利用しながら、強制移動の罠の検証、分析を行った。結果、罠で飛んだ先がエイ一家のアジトである可能性が高い事を突き止めた。ヒンリギは自分が罠でアジトに飛び、場所を特定するための発信器を設置すると旅団に提案。一人で行動するつもりだったが、ヒンリギが信頼できると踏んだノブナガも同行。飛んだ先にはノブナガの刀でも破壊不能の壁があり、本拠地である事は間違いなかった。
ある扉の先には、エイ一家の構成員達が多数いた。彼等は侵入者の出現に何の反応も示さず、雑談を続けていた。ノブナガ、ヒンリギの二人は罠を警戒し部屋には直接入らず、扉の外からの攻撃を試みた。攻撃はトレベルムのダメージを移動させる能力で防がれ、更にヨコタニの能力により二人とも武器を奪われた上、強制的に元の客室に戻されてしまった。だがヒンリギが逃走中に発信器の設置に成功し、当初の目的は達成した。
ノブナガはフィンクス、フェイタンと合流。発信器により、エイ一家の本拠地が第2層にある事を突き止めた。タイソンを警護するイズナビは、タイソンの念獣の能力が愛を布教する為のものである可能性に賭け、直接国王に経典を読むように働きかけるべきだとタイソンに進言した。フウゲツは心身が極度に衰弱していた。センリツは自身との面会を望む王子のいずれかの仕業だと考えたが、どの王子陣営との面会でも手掛かりは得られなかった。
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